あっというまに大晦日。
就職した一年目がコロナで、二年目が手術で、三年目もあとすこしで終わる。
ともかく、こうして日々を暮らせていることがありがたい。
年末はパコさんは仕事がつづくので、私もおとなしく仕事をしつつ、映画館へ足を運んで映画をたのしんだ。仕事はあまりはかどらなかったけれど。
大晦日はジェラール・フィリップ映画祭のイヴ・アレグレ監督の『美しき小さな浜辺』(1949)という、一年の締めくくりには暗すぎる映画を(しかもDVDをもっているというのに)、たぶん勘違いではないのだが、上映室の外からたえず聞こえてくる音をつねに気にしながら曖昧な集中力でみたあと、ジャン・コクトーの『詩人の血』(1932)を見にひさしぶりの恵比寿ガーデンシネマへはしごした。ちょうどバカラのシャンデリアが中庭に出ていた。
今年はエリック・ロメールやジャック・リヴェット、そしてシャンタル・アケルマン、レオス・カラックスは新作があってこれまでの作品の上映もあったし、フランス語の映画をいつもよい多くみることができた。そしてバーバラ・ローデンの『ワンダ』も。貴重な年だった。みてよろこぶことばかりをしているので、来年はもう少し、映画について自分で言葉にして語ってたのしむこともしてみたいと思った。
いろいろみたようでもじっさいの数は少なくて、来年はもう少しみたいと思う。
本も、もう少し読みたいと思う。
読みたい本を買うこと、みたい映画のチケットを買うこと、行きたい美術展に行くこと、こうしたこれまでできなかったことができるようになった。
恵比寿で映画を見終わった大晦日の帰り道、自分が以前よりずっと自由になったということに気づいた。
さて、あと三分で、年があける。