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ヤドリギ

衣服をはずしたままぶらさがっている二つのハンガーがエアコンの風に揺れて立てる音がなんだかきれいでそのままにしていた。

 

パコさんが豚の顔まるごとの皮をもってかえってきた。

沖縄でいただいたお土産。ちょっとおどろいた。

チラガーというらしい。

そんなわけで、新年そうそうはじめて豚の顔皮をたべた。

 

実家へ向かういつもの道でみあげた木にヤドリギがあった。

ヤドリギというと、フランスでのながめを思い出す。もっとも印象的だったのはカーンの修道院跡に作られた現代作家のマニュスクリなどを所蔵している IMEC Institut Mémoires de l'édition contemporaine に行ったときに見あげた木々のたくさんのヤドリギ。風がつよかった。

 

ヤドリギ、という言葉はとっさに浮かばずに、ホン・サンス監督の『イントロダクション』だったと思う、母子が枯れ木に浮かぶ丸い影をみあげてそれを話題に話し合う場面があったことが先に思い浮かんだ。母子が見あげたのは、あれはドイツだったかな。

 

昨年はものすごい数の傑作をみた年だった。

イントロダクション』のポスターは研究室にはってあって、昨年は、気持が堅くなると眺めてほぐした。今年もまだはったままにしている。