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  ぱ か ぱ 〜 じ ゅ 📖

忘却不信

夜、数時間だけ下北沢にいた。

少し雨が降っていて、革の小さなバッグが小さな水玉模様となった。

 

行く途中、代々木上原駅でものすごくたくさんの人が乗車して、扉横に立ってペンを片手にのんきに文字を小さく印刷して折り曲げた原稿に目を通していたものだから、不意うちのように人の波が押し寄せてはっとした。

 

 

小田急線を三年前までは週に二回使っていたんだっけ、と思ったけれど、あまりその身体感覚が思いだせない。ほんとうに週に二回通だったんだろうか、と乗り換えの改札を通りつつ少し考える。それほど時が過ぎていないのにこんなふうに忘れてしまうのか、自分の忘却があまり信用できないと思った。

 

明日は休講で土曜の授業がないけれど、朝から用事がある。

起きられるかな。

 

私は、寝られないことは幾度もあるけれど、起きられなかったりしたことは、これまで一度もない。うっかり寝ていたということをしたことがない自分が、なんだかとてもつまらなく思える。