部屋の戸をすこし開けていると、あっというまに寒くなる。
三宅唱監督の新作『ケイコ 目を澄まして』は16㎜フィルムだった。
三宅監督は、ブラジャーをつけた女性のうしろ姿がすきなのだろう。
ブラジャーの種類も前作と似ていたような気がする(すくなくとも二人ともユニクロの下着ではなかった)。
100分もない映画だけれど、時間はイメージのなかにたっぷりとたゆたっていて、それはときには大きな鏡にも映しだされてみえた。どの場面も美しく、目を離すことができなかった。
見終わって映画館を出た直後は、なんというか、あっけにとられたような状態でまぬけな顔をしていたのかもしれない。
映画ってほんとうに不思議だ。
ジャン・コクトーの特集のフライヤーが他の映画のフライヤーと一緒に並んでいた。その特集、作品数はそれほど多くないようだった。
まぶたが落っこちてくる。
眠くてしかたがない。