上瞼がときどき腫れるのは悩ましいとはいえよくあることなのだけれど、湯上がりに化粧も落としたのんきな顔を見てみると、なんと下瞼に異常がある。瞼に沿って描くように赤い傷のようなものが、両下瞼ともに浮かびあがっている。痒みはなく、触ればヒリヒリとしそうな感じだ。かさぶたになる前の炎症状態とみえる。
上瞼はようやく炎症が治まってきて、明日から授業は安心だと思っていたところに、下瞼ではじめての種類の症状だ。内臓の悪そうな、いかにも不健康な顔。ひとしきり、焦るというか凹んだ。
しばらく考えて、あ、と気づいた。
マスクだ。
さいきん使っていなかったシンプルなサージカルマスクを、ここのところ使っていて、それが大きくてよく上にずれあがってきて目に刺さりそうなほどだったから何度も位置を調整していたのだった。
原因に気づけてよかった。
それから、いちいち凹んだりするのは面倒だと気づいた。