さいきんの渋谷はいつも混んでいる。
ひとびとの流れにながされつつ、私は映画館への道をたどる。
イオセリアーニの映画は、かつてみたときには居眠りしなかったことがなかったので、寝息がきこえてくると、親しみがわくというか、おだやかなきもちになる。
今回の映画祭で、早い時期にみのがすまいと『唯一、ゲオルギア』をみておいたのがとてもよかった。あれこれの作品をみるごとに、イオセリアーニ映画のすばらしさが、これまでよりもずっとしみてくるのだ。
いろんな不調のうち、肌の状態がとりわけよくないのだけれど、おとなしくのりこえようとおもうのだった。うつうつと対処方法をネットで調べるともなく調べていたら、「更年期は第二の青春時代」という表現を発見して、なんというか、わりと納得してしまった。なんといっても、中学生のころの私はニキビで顔をいっぱいにしていて、同級生の男の子に「おい、ニキビ」とか「ニキビちゃん」とか、そんなふうに呼ばれていた想い出でがあるくらいなのだ。
青春時代の再来である。