ドアの鍵 🗝️

5月末から6月の最初の一週間で、友人に会ったり、映画をあれこれみたりもできた。

もっとも、不調はつづいていて、夜は眠りが浅い。仕事は、授業以外は最低限のことをしているに過ぎない。

日曜日。相変わらず汗ばかり出る。朝から微熱で、頭もぼうっとするけれど、風邪をひいている場合ではない。汗が引くと、今度は鳥肌。忙しい身体。

今日は一日部屋で過ごして、ゆっくりあれこれするはずが、途中で必要な本が探しても探しても見つからず、見つからないうちに、気分が無駄に落ちこみはじめて、あ、危険だ、と思った。それにしても、たくさんの本やDVD、Blu-ray があって、あれもこれもあるのに、どうして今必要なそれだけ見つからないの、と思い詰めそうになる。けっきょく見つからないまま夜になって、気の散った状態で時間を過ごしてしまった。

「創作」について、これまでは自分にひきつけて考えることのなかったことを考えるようになった。創作は、それをする人を助けることがある。たとえそれが他人に認められるような作品とはならなくても、創作する行為がその人をどこかへみちびくことがある。

私はずっと、鍵のかかったままのドアを無理矢理開けようと、ガチャガチャ虚しくノブをまわしつづけてきただけなんだ。顔をしかめて、悔しげにドアを叩いてみたりして。ドアを開けたいならば、鍵をさしてまわせばいいだけなのに、鍵がどこにあるかがわからなかったし、探そうともしなかった。ドアは今ではすっかり錆びついてしまっているみたいだ。

鍵をさしたら、鍵はまわるのかな。

ドアをあけることができるのかな。

ドアの向こうには、いったいどんな景色が広がっているのかな。