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  ぱ か ぱ 〜 じ ゅ 📖

カンパネルラ

じっさいぐんと冷えこみはじめた。

 

午後はそこまで気温もさがらないようであったのに、天気予報の17時の表示に雪印がみえて、気づけば暴風が吹きすさんでいる。風の音におののくのは、それがどこか陰鬱に人の声を運ぶようにきこえるからかもしれない。とにかく急にぞっとして、予定よりも早く帰ろうと、研究室に広げたばかりの本を片づけた。窓の向こうの空に、濃い色の暗い雲がうごいていた。

 

外に出ると予想どおり風にマフラーが踊ると云うよりも暴れた。さむいさむい、とつぶやきながら、向こうをみると、いつもいないところにいる、立ち並んでいる何かの工事のための赤の三角コーンを見張るようにして立っている守衛さんがみえた。折りたたみの立て看板はすべて安全のために倒されていて、固定されていた。折りたたみの四角い立て看板は、だからといって片付けの際に折りたためるようなつくりをしているというわけではないようで、折りたたんだ身を立っている時のままの状態でひらいている。足が4つあるから、ロボットが硬直したまま妙な恰好をして倒れているようにみえた。

 

夜のラボでもさむさを感じる。

風の音に重さがある。

 

天気予報の表示、さっきまでマイナス2度だったのが、マイナス3度になっていた。

 

 

人探しについては、待機の日となった。

 

 

風邪には気をつけてください。